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休職期間満了で退職する場合の離職理由について

2015年02月20日
こんにちは。
社会保険労務士の杉山 加奈子です。
 
 
今回は、「休職期間満了で退職する場合の離職理由について」をテーマにお話させていただきます。
 
うつ病等で長期間出社できない場合、会社の休職規定に従い休職することが一般的です。
 
休職期間満了までに復職できず退職する場合の離職理由は、「解雇」か「自然退職」のどちらかになりますが、就業規則の定めに従うことになります。
 
「解雇」だと30日前の解雇予告や解雇予告手当、解雇の合理性等の問題が絡むため、最近の風潮では、努めて「自然退職」とする傾向にあります。
 
休職期間満了により「自然退職」とする場合でも、満了日の30日位前に、「満了日までに復職できない場合、○○日付で退職となる。」旨の通知書を出しておくこと、また、相手の意思確認の意味も含めて退職届を提出してもらうことを推奨しています。
 
しかし、従業員によっては、自分がうつ病になったのは元はと言えば会社のせいなのに、しかも、辞めたくて辞めるわけでもないのに、どうして自ら退職届を提出しなければならないのか、その行為に抵抗を示してくる場合も数少なくありません。
 
退職届を提出してくれない → 自己都合退職にならない → 会社都合退職
になってしまうと考えられる事業主様が多いのですが、心配ご無用です。
従業員が抵抗を示してくる場合は、無理に退職届をもらう必要はありません。
 
そもそも「自己都合退職」とか「会社都合退職」とかという用語は、何ら法律上の定義もなく、世間一般で用いられている「社会常識化した慣例用語」に過ぎません。
立場が違えば退職に対する受け止め方も違うでしょう。
 
離職票の退職理由は、「休職期間満了による自然退職」と記載し、その根拠となる就業規則の休職規定の箇所のコピー、休職期間が把握できる休職通知書のコピーを添付します。
 
「自己都合退職」か「会社都合退職」か等の無用な論争は不要です。
 
 
 ● 編集後記 ●
 
30日前に休職期間満了による退職通知書を渡しておくこと、退職届をもらっておくことは、休職期間満了による自然退職の手続きをする上で絶対事項ではありませんが、後に従業員に解雇だと主張され解雇予告手当を請求されないため、退職に対して本人の合意を確認するため等、二重三重にリスクヘッジすることをオススメしています。
 
「備えあれば憂いなし。」
適正な労務管理を行うにあたって、私はこの言葉をモットーとしています。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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